大切なお着物のクリーニングやメンテナンスについて、お悩みの方も多いと思います。
- 着物はいつクリーニングしたらいいの?
- 普段のお手入れ方法は?
- クリーニング店での着物の洗い方は?
お着物のお手入れ方法から、当店ではどのようにクリーニングしているのか、詳しくご紹介いたします。
着物のクリーニングは必要?
着物のクリーニングは必要不可欠です。

なぜなら、着物は繊細な素材で作られているため、正しくケアしなければシミ、黄ばみ、カビが発生し、生地を傷めてしまうからです。
とくに高価な着物や、思い出の品を長く美しい状態で保つためには、定期的なクリーニングが欠かせません。
クリーニングを怠ると、以下のリスクが考えられます。
- 汗ジミや皮脂汚れが酸化して黄ばむ
- 湿気でカビが発生しダメージになる
- 長期保管後にシミが広がり落とせなくなる
着物は一度、汚れが定着すると自分で落とすのが難しいため、専門技術を持ったクリーニング店を利用しましょう。
着物クリーニングはどこでできる?
着物クリーニングは、専門的な技術を持ったクリーニング店でおこなうのが最も安心です。
なぜなら、着物は繊細な生地や刺繍が使われており、一般的なクリーニング店では適切な処理ができない場合があるからです。
当店では、経験豊富なスタッフが対応し、様々な汚れ落としから仕上げまで、専門の技術でクリーニングしています。
着物クリーニングの失敗を避ける
例えば、シミが付いた訪問着を、専門技術を持たないクリーニング店に出すと、シミが完全に落ちなかったり、生地が傷んでしまうことがあります。
しかし確かな技術を持っているクリーニング店では、専用のシミ抜き剤を使い、素材に合った丁寧な処理ができるため、状態をきれいに保てます。
着物クリーニングのおすすめ店はどんなところ?
着物クリーニングのおすすめ店は、実績があり、着物の種類や状態に応じた対応ができる店舗です。
大切な着物を安心して任せるために、以下のポイントを押さえましょう。
- 実績と経験が豊富な店
- シミ抜きや汗抜きが得意な店
- 料金体系が明確である店
- ネットの口コミ・評判を確認する
ポイントをきちんと押さえておけば、初めて着物クリーニングを利用する方でも安心です。
実績と経験が豊富な店
着物クリーニングには高い専門性が必要です。
訪問着、留袖、振袖など種類によって適切な処理方法が異なります。
長年の経験があるクリーニング店は、あらゆる種類の着物を扱った実績があり、安心して着物を預けられます。
シミ抜きや汗抜きが得意な店
着物クリーニングでは、とくにシミ抜きや汗抜きの技術が高い店がおすすめです。
汗ジミや古いシミは、放置すると黄ばみや生地の劣化を招きますが、プロの技術であればしっかりと対処できます。
料金体系が明確な店
着物クリーニングは、一般的な衣類よりも費用が高くなる傾向があります。
そのため、料金が明確に提示されているクリーニング店を選ぶと安心です。
追加料金の有無や、仕上がりまでの日数も確認しましょう。
ネットの口コミ・評判を確認する
口コミや評判も事前に確認しましょう。
実際に利用した人のレビューは信頼できる情報源です。
仕上がりの満足度や接客態度、期間などを参考にすると失敗しにくくなります。
着物クリーニングの種類
着物クリーニングには、以下のような様々な種類があります。
- 丸洗い
- シミ抜き
着物はデリケートな素材で作られているため、通常の衣類と同じ方法では汚れが落ちません。

それぞれ目的が異なるため、着物の状態や必要なケアに応じることを大切に考えています。
クリーニングができる着物には以下のような種類があります。
- 訪問着
- 喪服
- 振袖
- 留袖
- 長襦袢
- 七五三
- 浴衣
- 羽織
- 着物コート
- 袴
- 帯
以下、着物クリーニングの解説をしていきます。
丸洗い
着物全体を専用の溶剤で洗浄する方法です。
ホコリ、軽いシミ、汗、皮脂汚れを落とせます。普段着の着物や、一度着ただけの訪問着などにおすすめです。
シミ抜き
特定の部分にできた頑固なシミを専用の薬剤で処理する方法です。
専門店の技術で、シミの種類や生地の状態に合わせた処理が可能です。
着物クリーニングの料金
着物クリーニングの料金は、クリーニングの種類や着物の種類、処理内容によって大きく変わります。
着物は一般的な衣類よりもクリーニングに手間がかかるためです。
着物クリーニングの相場
着物クリーニングの基本的な相場を以下にまとめます。
- 小紋や普段着の着物:8,000円~12,000円
- 訪問着・留袖:10,000円~20,000円
- 振袖:15,000円~30,000円
- シミ抜き:1カ所2,000円~5,000円(シミの状態により変動)
着物クリーニングの組み合わせなど、不明な点や気になることなどあれば、事前にお問い合わせください。
着物クリーニングは安い方が良い?
着物クリーニングは「安さ」だけで選ばない方が良いと言えます。

なぜなら、安さを優先すると、適切な処理が行われなかったり、生地を傷めてしまう可能性があるからです。
信頼できるクリーニング店を選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
① 料金が適切かどうか
相場よりも極端に安い場合は要注意です。
着物のクリーニングは、専門の技術や設備が必要であり、適正な料金がかかります。
② お客様の声を確認
実際に着物クリーニングを利用した人の口コミや、レビューを確認することで、仕上がりのクオリティを把握できます。
③ 明確な料金表示があるか
着物クリーニングは、価格だけでなく、料金体系がわかりやすいかどうかも大切です。
追加料金の説明が不十分な店は避けるようにしましょう。
ひこ例えば、料金が他店と比べて大幅に安いクリーニング店に着物を出して、汚れが完全に落ちず、再クリーニングが必要になった事例もあります。結果的に費用が高くついてしまうケースもあるのです。
着物をクリーニングに出すタイミング
着物は絹からできているものがほとんどで、とてもデリケートな素材です。
そのため、頻繁に使う着物の場合、毎回クリーニングすると生地が傷んだり、風合いが変わったりしてしまいます。
以下、具体的な着物クリーニングのタイミングになります。
- 着用後すぐ
- シーズン終わり(季節の変わり目)
- シミが付いた時
- 汗をかいた時
着用後すぐ
着用後は必ず状態を確認し、目立つ汚れがなくても一度丸洗いするのがベストです。
とくに汗をかいた場合は汗抜き加工が必要です。
シーズン終わり(季節の変わり目)
着物は季節によって着る種類が変わります。
例えば、袷の着物は秋から春先にかけて、単の着物は春から夏前にかけてというように。
シーズン終わりにクリーニングしてしまっておくことで、次に使う時にまたきれいな状態で着られます。
着物にシミが付いた時
一般の衣類でも同じなのですが、シミはの処理は早ければ早いほど効果的です。
時間が経つと、どんどん取れにくくなっていきますので、シミが付いたと思ったら早めにクリーニングに出しましょう。
汗をかいた時
汗をかいた時も、早めにクリーニングした方が良いでしょう。
絹が水分を吸収すると縮んでシワになります。また汗がどんどん溜まっていくと、その部分が固くなり元に戻りにくくなってしまいます。
時間が経つと酸化して必ず黄ばんできますので、汗をかいたと思ったらクリーニングしましょう。
当店では部分的に汗抜き処理をした後に丸洗いをしています。
ひこ例えば、成人式で着た振袖は汗が内部に染み込んでいることが多く、見た目がきれいでも放置すると半年後に黄ばみが発生します。早めにクリーニングに出すことで、良い状態を長く保つことができます。
当店の着物クリーニング
当店での着物のクリーニングの工程をご紹介します。
当店でできるのは以下の3つになります。
- 丸洗い
- 部分的な汗抜き
- しみ抜き
丸洗いは基本的に石油系の有機溶剤でのドライクリーニングです。
皮脂やファンデーションなどの油汚れに、とくに効果があります。
検品
お着物全体を見てシミ、汚れをチェックします。
汚れやすい襟周りや裾部分は入念に確認しています。
部分的な汗抜き
汗をかいている部分は必ずシワになっています。
着用してのシワとはちょっと違うためすぐわかります。
ドライクリーニングでは、汗の成分は落ちにくいので、事前に首周りや脇の下など、部分的な汗抜き処理をしています。
しみ抜き
シミによって薬品の調合を変えてシミ抜きします。
油性、水性等のシミはそれぞれ落とし方が違いますので、専用の機材を使うこともあります。
丸洗い
石油系のドライクリーニング機で1点ずつ丸洗いします。
生地によって洗濯時間、脱水時間等を変えています。
乾燥
着物は乾燥機を使わず全て自然乾燥です。
仕上げ
アイロンや専用のスチームブラシを使って手仕上げしていきます。
ふんわりやさしい風合いを重視しています。
当店では、仕上げ後は新しい「たとう紙」に入れてお渡しいたします。
着物のクリーニングの出し方とは?
着物クリーニングを出す際は、予めホームページを見て、手順を確認しながら出すようにしてください。
着物はデリケートな素材であり、取り扱い方を間違えるとダメージが生じるからです。
以下、当店で着物をクリーニングに出す際の具体的な手順になります。
- 状態を確認する
- クリーニング店を選ぶ
- 店舗に持ち込む
状態を確認する
シミ、汚れ、ほつれがあるか確認しましょう。
汚れの場所や原因を覚えておくと、店側に正確に伝えられます。
クリーニング店を選ぶ
着物のクリーニングができる確かな技術を持ったお店を選びましょう。
口コミや実績を確認すると失敗が少なくなります。
店舗に持ち込む
クリーニング内容や料金、仕上がり日を確認しましょう。
公式ホームページで地図を確認して、営業時間も調べておくことを忘れないでください。
ひこ例えば、着物にシミがついてしまった場合、汚れた場所をクリーニング店に正確に伝えることで、シミ抜きの精度が上がり、きれいに仕上がります。
着物クリーニングはどのくらい時間がかかる?
着物クリーニングには1週間から1カ月程度の時間がかかります。

理由は、着物クリーニングは一般の衣類と違い、工程が多く、慎重に作業を行う必要があるからです。
クリーニングの種類によって、必要な時間が異なります。
丸洗いの場合
2週間~3週間程度が目安です。
混雑している時期(年末年始、成人式シーズン)はさらに時間がかかることがあります。
シミ抜き加工を含む場合
約3週間~1ヶ月程度が必要です。
シミの種類や状態によっては、さらに長くなることもあります。

着物クリーニングの依頼が集中した場合、通常より期間が長くなる場合があります。着物を着る予定がある場合は早めのご依頼をお願いいたします。
七五三の着物クリーニング
七五三の着物は着用後すぐにクリーニングに出すことが大切です。
なぜなら、子どもが着用する七五三の着物は、食べこぼしや泥汚れ、汗などが付きやすく、時間が経つほど汚れが落ちにくくなるからです。
七五三の着物は繊細な素材が使われているため、適切なクリーニングが必要になります。
以下、七五三の着物クリーニングのポイントを挙げます。
丸洗いで全体の汚れを落とす
食べこぼしや皮脂汚れは丸洗いで除去します。
とくに正絹(しょうけん)の着物は、一般的な洗剤で洗うと生地を傷めるため、専門店で丸洗いを依頼しましょう。
シミ抜きは早めに対応
シミは早期対応が基本です。放置するとシミが繊維に浸透し、色素が定着してしまいます。
クリーニング店にシミの原因や場所を伝えると、より効果的に処理してくれるので、なるべくメモを取るようにしてください。
着物クリーニング後のお手入れ方法と保管の仕方
着物はクリーニング後のお手入れと正しい保管方法が重要になります。
なぜなら、クリーニングで一度きれいにしても、保管方法を誤ると、湿気やカビで状態が悪化してしまうからです。
着物のお手入れ方法
着物は洋服以上にデリケートですので、素材のトラブルが起こりやすくなっています。
そのため、きちんとお手入れをして良い状態を保つようにしましょう。
着物を陰干しする
短時間しか使っていなくても、着用後に何もせずしまってしまうと、後になってシミが出てきたり黄ばんでしまうことがあります。
少しでも着た後は、季節を問わず風通しのいい場所で陰干ししましょう。
陰干しすることで、汗の水分を飛ばしてシワや黄ばみを防げます。
ブラッシング
専用ブラシを使ってのブラッシングも、効果的なお手入れ方法になります。
ブラッシングの目的は、表面のホコリや軽い汚れを落とすことと、生地の目を整えて本来の艶や光沢を出すことです。
着物専用のブラシというものが市販されていますが、高価(5,000円~10,000円くらい)であることが難点です。
虫干しを定期的におこなう
保管中も年に1~2回は虫干しをしてください。
晴れた日に着物を陰干しすることで、湿気を取り除き、虫食いも防止できます。
シワを伸ばす
シワが気になる場合はアイロンを低温で軽くかけます。
ただし、正絹などデリケートな素材は、プロのクリーニング店に相談した方が安心です。
着物の保管方法
着物を長く美しい状態に保つための保管方法をご紹介します。
いつでもきれいに着られるようにするためのポイントになります。
たとう紙に包む
たとう紙は湿気を吸収し、着物を優しく保護してくれます。
クリーニング後は必ずたとう紙に包んで保管しましょう。
湿気と温度管理を徹底する
着物は湿気と直射日光に弱いため、風通しが良く、湿気の少ない場所で保管します。
除湿剤を使用するのも効果的です。
防虫剤を使用する
着物専用の防虫剤をたとう紙に入れておくと、虫食いを防げます。
ただし、防虫剤が直接着物に触れないように注意しましょう。

クリーニング後にそのままビニール袋に入れて押し入れに保管すると、湿気がこもり、半年後にはカビや黄ばみが発生することがあります。たとう紙に包み、適切に保管すればこれを防ぐことができます。
当店では、仕上げ後は新しい「たとう紙」に入れてお渡ししていますので、そのまま保管してください。
大切な着物を長く愛用するためのクリーニング
着物を長持ちさせるためには、クリーニングと適切なお手入れが欠かせません。
クリーニングを怠ると汚れが蓄積し、最終的には着られなくなってしまいます。
とくにお気に入りの着物や、思い出の品、高価な着物は、専門店でのクリーニングを習慣にしましょう。